ヒトミィク : Hitomk official site

BFN.42

2022/03/14

二日間のレコーディングでは、「My life～」「Humming bird」のリズム録りと「INORI」の歌入れ等が予定されていたが、他にも、なおちゃんのアーティスト写真撮影や、YouTube channel 用のビデオ収録が行われることになっていた。今回も盛りだくさんのスケジュールだ。

天候が心配されたが、ひとみちゃんとアキ、そして、河野っちと大山監督も、無事スタジオ入りした。
最新の検査結果は黄疸が出てもおかしくないくらい悪かったし、前日には鼻血が止まらないと言うので、こちらもハラハラしていたのだが、スタジオに現れたひとみちゃんは、殊の外元気そうだった。
この頃の彼女の体力では、移動だけでも相当疲れたはずだが、そんな様子は一切見せない。
上京できたことが、本当に嬉しいようだった。

初日はリズム録りから始まった。生のドラムを録るのは、昨年の芸森以来だ。
打ち込みには打ち込みの良さがあり、それでしか表現できない事もあるが、やはり生楽器はいい。
「My life～」では、久々にショウジとヤンジーの力強い演奏が聴けた。
この曲の魂の叫びのような歌唱に、二人も自ずと熱が入ったことだろう。ピアノは自宅で一人コツコツとダビングしたが、思いは同じである。
「Humming bird」では一転、ショウジは同じシンプルなパターンを忍耐強く叩き続けていた。
（せっかちな私は例の如く、「4小節もらってループさせるんじゃダメなのかい？」と心の中で呟いたが、ホリエさんの指示の元ショウジも文句を言わず黙々とやっていたから、やはりそれじゃダメなのだろう。私の不届きな考えは、口に出せば一蹴されたに違いない。）
淡々と繰り返されるリズムだが、やはり打ち込みとは違うグルーブがある。ヤンジーのベースも素敵だ。
何より、ホリエさんのアレンジが良かった。コード付けに苦心した曲だったが、全てを上手くまとめあげてくれている。随所に入るオルガンやギターが、効果的で心地良い。ちなみに、このギターはホリエさんである。

リズム録りを終えたショウジには、もうひとつの大仕事が待っていた。
YouTube channelの企画「ヒトミィク・ネオラジヲ」のMCである。
「ヒトミィク・ネオラジヲ」は、毎回プロジェクトメンバーをゲストに迎えてエピソードを語る、という10～15分程度の番組である。
ひとみちゃんが来られる機会がもうそんなに無いだろうということで、二日間で出来る限り、撮り溜めすることになっていた。
ゲストの私達はいいが、MCのひとみちゃん・ショウジ・撮影の大山監督は、全てに関わるのだから、そこに費やす時間と労力は相当なものだ。

ひとみちゃんは、この日も大忙しである。
リズム録りの肝心なところは勿論チェックしていたが、どちらかというとレコーディングそっちのけで、なおちゃんのアー写撮りに時間を割いていた。自分のプロデュース作品だから、当然といえば当然だが、きっと、持ち前の世話焼きおばさん気質を炸裂させていたに違いない。
合間には、ビデオ収録があるし、休む暇は殆ど無かっただろう。

ギリギリまで番組収録を続け、この日は終了した。
ひとみちゃんは誰よりも疲れていたはずだが、最後まで笑顔を絶やさず、辛そうな素振りひとつ見せずにスタジオを後にした。それはきっと、彼女の矜恃でもあったのだろう。