BFN.48
2022/04/24
このひと月で5kg落ちたというひとみちゃんだったが、相変わらずお土産を抱え、元気な様子で現れた。
さすがに痩せたなという印象は受けたが、先の大量出血のことを思えば、こうしてここに居ること自体が驚異だ。
今回の上京は、三日間に渡るハードスケジュールだった。
初日、ひとみちゃん達はネオラジオ撮影の為に星勝さんの元を訪れていたが、実は少し前に、星さんは自ら札幌に出向き、彼女を見舞ってくださっている。
それまでも、折に触れて、彼女を勇気づけるメールなどを送ってくださっていた。
「星さんには親不孝しかしていないのに…本当に温かい方です」ひとみちゃんは、心から感謝していた。
二日間のスタジオワークには、おなじみのメンバーに加え、ヤンズ・久保田ヨーコ・ガッちゃん等、東京のメンバー全員がスタジオに集結した。
ひとみちゃんを囲んでこんなふうに集まれるのは、たぶん、これが最後になるだろう。
それぞれが、それぞれの想いを抱えて、その場に来ていたことと思う。
和やかな雰囲気の中、TDは順調に進んだ。
「My life~」「Humming bird」、どちらもとても良い仕上がりで、ひとみちゃんも満足そうだ。
初めて「My life~」を聴いたヨーコが涙ぐんでいて、ひとみちゃんは、ちょっと困ったような、照れくさそうな顔をしていた。
「INORI」の歌入れでは、あらためて、倉本ひとみと浜崎なおこ、二人の絆の深さを感じさせられた。
ネオラジオのガッちゃんの回では随分話がはずみ、初の前後編ものになるかもね、などと笑い合った。
そして今回、「Ballerina」「有明の月を見ている」、二曲のスタジオライヴの収録が行われた。
特筆すべきは、「有明の月を見ている」だろう。
これが、彼女の残した最後の生歌であり、LIVE映像である。
ひとみちゃんは、ロビーでの軽い音合わせを含めると、フルで10回は歌った。
この頃の彼女の体力を考えると、驚くべきことだ。
痩せて一回り小さくなったように見えるあの体の何処に、それだけのエネルギーがあったのか。
それはやはり、彼女の音楽に対する情熱の賜物だったのだろう。
まさに、命を燃やすようにして歌っていた。ショウジとヤンズの演奏・コーラスも素晴らしかった。
貴重な映像が残せたことを、本当に嬉しく思う。
この三日間、ひとみちゃんは、まさに八面六臂の活躍ぶりだった。いつも通りそんな素振りを見せないようにしていても、今回ばかりは、相当に疲れている様子が感じられた。
タクシーに乗り込む彼女を見送る段になって、「もう会えないかもしれない」という思いが、強烈に私を捉え、思わず彼女の肩に手をかけて「次はこっちから会いにいくからね!」と言っていた。
発車して私達の目が届かなくなった途端に倒れこむのではないか、と思うほどに辛そうだったが、それでも、ひとみちゃんは「うん!」と明るく微笑んでスタジオを後にした。
札幌に戻ったひとみちゃんの病状は、この後、加速度的に進行していく。
今思うと、この時期に彼女の上京が叶い、皆で集まれたことは、奇跡に近かったのかもしれない。
ひとみちゃんにとっても、我々メンバーにとっても、何ものにも代え難い、贈り物のような時間だった。
to be continued…
ヒトミィク・プロジェクト 広本 葉子
FROM ヒトミィク より
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