BFN.45
2022/04/04
発売された「CONCINCIA/Good-bye 朱鷺」は、限定パッケージというだけあって、凝った作りだ。
赤と黒を基調にしたジャケットは目を引くし、控えめに施されたエンボス加工が高級感を醸し出す。
ブックレットからは、デザインにも色使いにも、ひとみちゃんが拘った「昭和」の匂いが感じられた。
年末から寝る間も惜しんで、この為に頑張っていたのだ。本人も納得の仕上がりだろう。
このシングル盤を、玉光堂と音楽処では予約開始前から、文字通り全力でプッシュしてくれていた。
ひとみちゃんから送られた店頭の写真を見ると、これはまさに「ヒトミィク祭り」である。
福井さん、石川さん両名のお気持ちに、胸が熱くなる。
私は単純に嬉しかったし、ひとみちゃんも勿論喜んでいた。が、彼女の心には、それだけではない、戸惑いや気後れのようなものがあるようだった。
急な状況の変化に気持ちがついていかなかったのと、たぶん、周りが頑張ってくれているのに自分が思うように動けないことに、もどかしさと申し訳なさを感じていたのだと思う。
だが、これは本当に有難いことだった。
彼女がいなくなった今も、玉光堂さんと音楽処さんには本当にお世話になっており、先日の「INORI」発売の際も、この時と同様に応援していただいた。プロジェクト一同、大変感謝している。
WakKa Music内では、シングル発売に先立って、今後の配信・CDリリースや、それに伴うプロモーション計画について、話し合いがなされていた。
私自身は、そこには関わっておらず、いつも後日、決定事項の報告を受けていた。
当初の予定では、ひとみちゃんの書くブログの中で病気を公表し、段階的に曲を配信していくという話で、曲の配信順もそれに合わせたMVの公開なども暫定的にではあるが、決まっていた。
もちろん、全て、ひとみちゃんの意向のもとに決定されたことである。
だが、いざ動き出そうという段になって、彼女の中には様々な思いが湧きあがっているようだった。
「なんか皆さんに、持ち分を越えてワタワタさせてる気がして、申し訳なくて」
「周りが一生懸命動いてくれようとしてるのに、躰がドンドン動かなくなってる自分が不安」
「元気なうちに成功をみせたいと思ってくれるのは嬉しいけど…音を残せただけで、もう充分だから」
もちろん、誰もが、配信・CDが売れることを願ってはいたし、そのさまを彼女に見せられたら、とも思っていた。が、現実がそんなに甘く無いことは、我々とて百も承知である。
「皆、ひとみちゃんの為だけでなく、自分達が精魂込めて作ったものを沢山の人達に聴いて欲しい、って気持ちだよ」ということを私なりに伝えたつもりだが、彼女の気持ちは軽くならなかったようだ。
そしてやはり、病気の公表についても、未だ気持ちの整理がついていないようだった。
その後も、思い悩んでいたのだろう、2月下旬の或る日、「ご報告があります」とLINEが入った。
「死ぬの止めようかな。」―― 実に実に、彼女らしい。
「病気公表!病気公表!って考えるのに疲れちゃって」
「それに、弱いところを見せて、病気だけど頑張って歌い続けますってのは、やっぱり倉本らしくないっていうか…自分じゃないんだよなぁ。」
やはり、一番気にかかっていたのは、そこだったのだ。
公表をストップして、倒れるまでリリースプランも自由に考えたい、という。
かくして、プロモーション及び配信スケジュールは、全て白紙に戻った。
to be continued…
ヒトミィク・プロジェクト 広本 葉子
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