BFN.37
2022/02/07
「いのり」は、昔一緒に演った「遠い空の下で」という曲が下敷きになっていたが、メロディーも歌詞も、全く新しい曲に生まれ変わっていた。
ヒトミィクプロジェクト全ての楽曲の中でも、1、2を争う名曲ではないかと思っている。
ひとみちゃんは、その曲を「ナオコに歌って欲しいんだ」と言った。
最初、私は、深く考えることもなく「自分で歌えばいいじゃん」と言ったし、おそらく、なおちゃん本人もそう言ったはずだ。単純に、良い曲だし、自分で歌わない手はないじゃないの、と思ったのだ。
しかし、「ナオコに歌って欲しい」という、その思いは変わらなかった。
「アタシが歌うと説教臭くなるんだよね」と、冗談交じりに言っていたが、彼女が「いのり」をなおちゃんに委ねたのは、勿論そんな理由からではない。
ひとみちゃんは、浜崎なおこの歌が、この曲をより一層輝かせてくれることを、確信していたのだ。
そして、その判断は間違っていなかった。
なおちゃんの柔らかく包み込むような歌声は、大きな慈愛に満ちたこの曲に、確かにぴったりだったし、その豊かな表現力は、曲に込められた想いを、じんわりと心の奥深くまで届けてくれる。
大切な一曲を、無二のsoulmateに託したひとみちゃんの気持ちまでもが、伝わってくるようだった。
倉本ひとみと浜崎なおこ、二人のコラボレーションは、素晴らしい一曲を残してくれた。
なおちゃんは、この曲をずっと大切に歌い続けてくれるだろう。そして、その歌に乗って、ひとみちゃんの想いも未来へと繋がっていくだろう。
なおちゃんに歌ってもらって本当に良かった。今あらためて、しみじみとそう思う。
「いのり」は、ローマ字表記の「INORI」となって、もうすぐ配信される予定だ。
この頃のひとみちゃんは、いよいよ指の痺れが酷くなってピアノが全然弾けないと嘆いており、そのことは、送られてくるデータからも、容易に見て取れた。
MIDIデータというのは、音の位置や長さや強さが、目で見てわかるのだ。
緑色に染まったそのトラックからは、弾くというより、指を置くのが精一杯、というような様子が伝わってきていた。(設定にもよるが、私の使うソフトでは、音の強→弱が、赤→青というように、色で表される。緑はかなり弱い。彼女が使っていたシンセ仕様の鍵盤は、ピアノ鍵盤に比べ格段に軽く強弱も付きにくいので、普通に弾けば赤くなる。実際、以前は真っ赤だったのだ。)
「いよいよ、オケがボイパ(ヴォイスパーカッション)のみになっちゃうかも(笑)。」と、どんな時もユーモアを忘れないひとみちゃんであったが、実際はかなり落ち込んでいたのだろう。
後日、楽器が弾けなくて気持ちが落ちていることを、主治医に伝えたという。
センセーは、それはそちらを優先した方が良いと言ってくれて、白金を抜いた新しい抗がん剤を処方してくれたそうだ。
「薬に頼り切るより、QOLを重視、ストレス無しに好きな事をやって愉しく過ごすのが一番の薬だと思います」「センセーはそれを解ってくれている…と感動しました」
良い主治医に巡り会えたことに、ひとみちゃんは、この時も、とても感謝していた。同感である。
薬を切り替えたことによって、指の痺れは、かなり楽になったようだ。
新曲作りやスタジオ作業に加え、プロモーションに向けての写真撮りやサイト構築など、ひとみちゃんは、相変わらず忙しい毎日を送っていた。
to be continued…
ヒトミィク・プロジェクト 広本 葉子
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